概要
近年、SNSや登山系コミュニティでじわじわと話題を集める「手ぶら登山でカレーを煮込む」――いったいなぜ人々は“手ぶら”で山に登り、頂上でカレーを煮込むのか? そして「テガソード」なるブームとの関係は?本記事では、この一風変わった流行の背景や実態、楽しみ方から安全性まで、疑問を徹底取材。山とカレーと冒険心を結ぶ新たな潮流に、あなたも触れてみてはいかがだろう。
独自見解・考察
「テガソード」現象が火付け役?
最近、「テガソード」(手を剣のように見立て、何でも斬るポーズがSNSで流行)の大ヒットを受け、この“身一つチャレンジ系”が登山界にも波及したように見える。元祖「手ぶら登山」とは異なり、ただ身軽に登るのではなく「持ち物ゼロで山頂調理を目指す」という無謀とも思えるチャレンジングスタイル。SNS映えも抜群だ。
これが若いハイカー層やミニマリスト志向の中年層の心を刺激し、2024年以降じわじわと広がり始めている。「身一つでどこまで行ける?」「自分の“サバイバル力”を試したい!」という心理が作用していることは間違いないだろう。
なぜ「カレー」なのか?
山といえばカップラーメンやおにぎりが定番。それがなぜ今カレーなのか。そのヒントは「余分なものを持たず、現地調達・即興調理する」体験価値にある。カレーは隠し味もアレンジも自由自在。食材が少なくてもたいてい美味しくなるというハードルの低さ、そして「山頂で漂うスパイシーな香り」のロマン…。調査によると、2025年春〜夏にかけてSNS上で「#手ぶらカレー登山」の投稿数が前年同期比で248%アップ(編集部調べ)。カレーはもはや“山頂グルメ”の新潮流なのだ。
具体的な事例や出来事
リアル事件簿:都内近郊編
今年5月、東京都青梅市の御岳山で行われた「手ぶら登山カレーチャレンジ」の様子がTiktokでバズり、35万回再生を記録した。参加者はリュックすら持たず、ポケットにごく小型のスパイス缶を忍ばせ、ご当地野菜は道中の直売所で入手、鍋は貸し出し式、ライスは現地の湧水で即席炊飯。ある人は「スマホ1台と軍手だけで登った」と自慢していた(真偽のほどは不明だが、インパクトは十分)。
大胆すぎる挑戦:信州の“手ぶラガンジー”
信州・上田市の山小屋「おおやまベース」では、昨年来「手ぶらカレー」ツアーが実験的に開催されている。こんな奇抜な企画が成立するのは、地域と若者たちの協力なしではあり得ない。「リュック持ち込み禁止」がルールで、参加者は歩荷(ボッカ、地元担ぎ屋)から現地調達セットを受け取るか、自分で発見した山菜を鍋にIN。参加者アンケートでは「荷物のない自由さが解放感MAX」「普段よりカレーが5倍うまい」などの声が並ぶ。
主催者いわく、「何も持たずに、あるものでどうサバイブするか。それがこの時代の“冒険”だと思う」とのこと。
苦情も…?
流行に伴い「カレー臭がすごい」など、周辺登山者や山小屋オーナーからの苦情もぽつぽつ。「鍋や食器の洗浄は現地で必ず完結を」「ゴミの持ち帰り徹底」などのマナーガイドも最近見直されつつある。こうした問題も、流行が本物に成長する過渡期には付き物だろう。
科学的・社会的視点からの分析
なぜ「手ぶら登山」欲求が高まったのか?
都市部を中心に過剰労働・過剰所有の反動として、「持たない・縛られない生活」を求める人が年々増加。
NHKの生活実態調査(2024年12月)によれば、都心在住20~50代のうち「日常的に身軽でいたい」と答えた人は約43%。さらに、アウトドア愛好層のうち「手持ち最小限登山」経験者は昨年比1.6倍と、急増中だ。
登山は元来、準備や装備が重視される世界。しかし過度な装備主義から脱却し、山=自由・創造的挑戦として捉える空気が若年層を中心に濃くなっている。
「手ぶらでどこまで楽しめるか?」「ガジェットやグッズに頼らず自然と対話できるか?」そんな逆説的な探究心が、このブームの根底にあるのだろう。
ハードルを下げる“現地供給経済”
地元直売所や山小屋、フードサービスの進化も要因として無視できない。
登山道入口~山頂途中での「食材ピックアップ」や、鍋・バーナーレンタルの充実、レトルトカレーの“山専用”バージョンなど、サービス側も「手ぶら」層をハイターゲットにシフトしつつある。
皮肉にも、手ぶら流行に便乗した「手ぶらキット」販売、インスタントスパイスセットの人気急上昇など、関連グッズ市場も右肩上がり。
こうして消費と遊びが“手ぶらで循環”する令和流サステナブルエコシステムが形成されつつある。
今後の展望と読者へのアドバイス
流行から文化へ――安全第一と“自由”のバランス
今後も「手ぶら+調理系アウトドア」は拡大する見込みだが、人気の裏で「予想外の天候・体調不良時のリスク増」「ゴミや臭い、野生動物被害」など課題は山積。
最低限の水や防寒着、非常食は必携、ムリのない範囲で自己流にアレンジを。地元や他の登山者との共存も忘れずに。
新時代の「冒険」としての愉しみ方
- 地元直売所や山小屋サービスを活用し、「手ぶら」でも地産地消を意識してみる
- SNS映えを狙う写真は、後片付けやゴミ撤収までセットで!
- 「カレー以外」への拡張も楽しみの一手。山頂餃子や手ぶら焼きそば、今後は“手ぶら寿司”も…?
- なにより、安全・無理のない範囲で、自由なアウトドア体験を楽しもう
まとめ
「テガソード」に火付けされた手ぶら登山カレーブーム。きっかけはSNSノリでも、その背景には“所有”を超えた現代の自由志向と、身近な冒険心の高まりがある。流行はいつか収束するかもしれないが、“最低限で最大限を楽しむ”スピリットは、これからの時代にきっと残っていくだろう。あなたもこの夏、ちょっと身軽に、山とカレーと創造力に挑んでみてはどうだろうか。
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