あの名セリフを言いたいだけで始まった
「三刀流 奥義——一〇八煩悩鳳!!」
子どもの頃、一度は真似したくなったこのセリフ。
口に刀をくわえて構える姿は、まさに中二魂をくすぐる浪漫のかたまりだ。
だが大人になった今、ふと思う。本当にあの構えってできるのか?
というわけで、実際にやってみました。大人の全力で。
まずは武器を用意:摸造刀3本
本格的な実験には、まず本格的な準備から。
通販サイトで購入した全長約100cm、重量800gの模造刀を3本用意。
もちろん金属製。振れば「シュン」と音が鳴る、本格派の“危なくないけど危ない感じ”の代物だ。
検証場所は人気のない公園の隅。
夕暮れ時、三刀を背負った30代男性が、黙々と準備体操をしている様子は、どう見ても通報案件である。
実験① まずは「口に刀をくわえる」段階で崩壊
漫画では当たり前のように咥えているが、現実では想像以上にハードルが高い。
結果:
- 刃の幅が太く、顎が開かない
- 奥歯で噛もうとしても、すぐに頬肉が痛い
- 何より重い。頭が傾く
加えて、ほんの数秒でよだれが滝のように出てきた。
呼吸は困難。発声不能。「煩悩鳳」どころか「ぅぇ…」しか出てこない。
実験② 両手に刀、そして口に一本——構えられるか?
おなじみの“三刀流構え”を再現してみる。
両手に刀を持ち、口に一本加え、腰を低くして前傾。
結果:
- バランスが崩れる
- 首が攣る
- 鏡を見ると、想像以上にマヌケ
特に辛いのは、口に刀をくわえた状態で“首を回す”ことができない点。
ゾロのように斬撃を放つには、全身の連動が必要だが、首が固定されるとそれが不可能。
完全に「口に棒をくわえたまま散歩する犬」である。
実験③ 3本同時に斬れるのか?
ゾロはよく3方向から同時に敵を斬っているが、それは実際可能なのか?
模造刀を両手+口で保持したまま、3つの紙風船に向かって突進。
左・右・正面に配置し、同時斬りを狙った。
結果:
- 右手:風船にヒット!
- 左手:当たったが押しただけ
- 口刀:当たる前に落下
口に力を入れた瞬間、唇の内側を盛大に噛むという負傷つき。
「煩悩鳳」どころか、**“口内炎烈風斬”**が爆誕した瞬間である。
総合評価:構造的に無理ゲー
三刀流、現実での難易度評価:
項目 | 難易度 | 備考 |
---|---|---|
咥える | ★★★★★ | 顎の限界と口内負傷リスク大 |
振り回す | ★★★★☆ | バランスが崩れ、首と肩に激痛 |
同時攻撃 | ★★★★★ | そもそも口刀の自由度ゼロ |
見た目の迫力 | ★★★☆☆ | 鏡越しだとちょっと情けない |
自尊心へのダメージ | ★★★★★ | 周囲の目に耐えられるかがカギ |
AIの見解:「人類の構造上、三刀流は非対応です」
OpenAIベースの人体動作モデル「HumanoForm 3.2」は、次のように診断している:
「人類の骨格と神経系は、口を“支点”とした武器使用を想定していません。
特に首・肩・口腔内の筋肉は、咥えながら戦闘行動を行うようには進化していないため、
三刀流は“動作的に成立しない幻想構え”と言えます」
要するにゾロは、フィクション界でも**“物理を超えた浪漫”の住人**ということだ。
まとめ:夢の構えは、夢のままで
ゾロの三刀流は、現実でやってみると分かる。
**「どう考えても無理」**だと。
ただ、その「無理そうなことをやってのける」のが、フィクションのヒーローのかっこよさ。
咥えることはできなくても、あの構えに少しでも近づいた瞬間、
心の中では確かに「煩悩鳳」のエフェクトが舞っていた(気がする)。
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