概要
ウクライナにて先日、「中国籍の兵士」とみられる男性2人が軍の検問所で拘束された。彼らはパスポートやビザをきちんと所持しており、本人たちはあくまで観光目的の「兵士交流旅行」でウクライナを訪れたと主張。しかし、迷彩服に身を包み「観光」にしては少しばかり準備が良すぎるのでは？という謎が広がり、海外旅行業界では新たな形の「ツアーブーム」到来かとジョーク混じりに囁かれている。果たしてこれは斬新な観光スタイルなのか、それとも危険をはらんだ奇妙な冒険なのか？その真相に迫る。
事態の概要
発端はウクライナ東部、ヘルソン州付近の軍用検問所での出来事だった。ウクライナの治安部隊に拘束された翻訳に困惑した中国籍の男性2人は、一切隠すことなく「私たちは兵士交流旅行ツアーの参加者です！」と堂々と説明した。軍人さながらの迷彩服を身にまとい、コンバットブーツまで完備。持ち物には各国の軍隊グッズ通販サイトで購入可能な装備品や戦闘食料がぎっしりだったという。
「兵士交流旅行」、聞きなれない響きだが、これは食品工場の見学や農場体験の類の新ジャンルなのだろうか？さらには拘束された二人は「戦闘目的はない」、「純粋な好奇心による旅行」、「不謹慎だとは知らなかった」「ウクライナの人に迷惑をかけないように配慮していた」と懸命に弁明している様子だったらしい。
兵士交流旅行って何？不思議すぎる新トレンドに迫る
マニア向け新たな海外旅行の流行？
「兵士交流旅行」と聞けば驚いてしまうが、実は世界的に見ると「ミリタリー観光（軍事観光）」というジャンルは従来から存在している。例えばロシアをはじめ旧ソ連圏では実際の坦克（タンク）の運転体験ツアーや、ワルシャワ条約機構時代の軍服で記念撮影するなどという企画が人気だ。
だが「交流」と銘打つことは少々斬新だ。SNSや旅行関連のチャットグループを調べてみると、中国を含む一部の海外のミリタリーファンの中で、密かに「兵士交流」という言葉が使われ始めていたようだ。実際の紛争地や軍事訓練・パレードを訪れ、現地の兵士と交流できれば夢のようだ、というマニアックなファン心理が生んだアイディアなのかもしれない。
なぜウクライナ？
昨今のロシア・ウクライナ問題により、ウクライナが世界中の注目を集めていることは否定できない。そのため「実際の紛争地の状況を肌で感じたい」、「リアルな軍事体験をしたい」と願う奇抜な旅行者が出てくることは推測可能だ。しかし当然、紛争地に観光目的で乗り込むことは極めてリスクが高く、当該国や地元住民に対する配慮にも欠ける行動と言わざるを得ない。
実際に存在した類似の事例とは？
実際に類似した奇抜な軍事体験旅行として、かつてシリア紛争中に一部の外国人観光客がシリアを訪れ、SNSで多くの批判を受けた事例が記憶に新しい。また、韓国ではDMZ（非武装地帯）を訪れるツアーが比較的人気を博しており、具体的な紛争現場でなくても軍事遺構や施設が観光資源となることもある。
しかし、本当に紛争が進行中の地域へ十分に認識せず旅行を行った場合、本人の安全、そして国家関係にもマイナスの影響を与える事態になりかねない。安全管理や国際問題につながる恐れもあることから、観光目的の「兵士交流」は常識的に推奨できないことは明らかだろう。
今後の展望と注意喚起
面白半分、もしくは好奇心に任せて紛争地域や高度な軍事的緊張のあるエリアを訪れる行為は、本人にとっても現地の国や人々にとっても多大なリスクを生じることになる。各国政府も極めて否定的な見解をとっており、くれぐれも興味本位での訪問を控える必要がある。
「兵士交流旅行」という珍妙で耳あたりの良い言葉に惑わされず、安全で配慮ある旅行計画を立てよう。非日常を味わうとしても、まずは細心の注意と責任を持った行動が大切だ。
まとめ
ウクライナ東部で拘束された中国籍の二人の男性が主張した「兵士交流旅行」という単語はネット上で大きな話題となった。ユーモラスにも聞こえる新たな海外ツアートレンドの可能性も指摘されるが、過去の似たような海外の事例を見るとリスクや配慮不足という点で決して軽く見過ごせない問題であることも確かである。旅行する際には常識と配慮を忘れてはいけないという良い教訓にしていこう。
コメント