概要
毎年2月末ごろに行われるJRAのGⅡレース『中山記念』。春競馬シーズン開幕を告げる重要なレースの1つとして知られ、多くの競馬ファンや関係者からその行方が注目される一戦だ。理由は明白、この中山記念の結果やレース内容が、その後の春のビッグレース、「大阪杯」や「天皇賞(春)」、さらには「安田記念」などへ向けての重要な指標になると言われているからだ。過去を振り返ると、中山記念を制した名馬たちがのちにGⅠの舞台で輝くことも多く、「GⅠレースへの登竜門」とも称される存在である。また、意外な伏兵が上位に食い込むドラマも珍しくなく、ひそかな人気を誇っているレースでもある。今回はそんな『中山記念』に隠されたドラマと、馬券的な狙い目について掘り下げて解説していく。
なぜ『中山記念』が春競馬の運命を占うのか?
歴史あるレースに秘められた重要性
中山記念は1936年に創設された歴史あるレースで、約90年近くに渡って数々の名馬が勝利を収めてきた名門レースだ。毎年春競馬の開幕時期に開催されるこのレースは、距離1800mという絶妙な距離設定もあり、中距離からマイル路線を目指す馬たちの格好のステップレースとなっている。
特に、2017年より大阪杯がGⅠ昇格を遂げ、春の中距離レースの重要度がさらに高まったことで、中山記念の役割もより明確化している。このレースを勝つと大阪杯、天皇賞(春)、今年のマイル界の展望を左右する安田記念に向けて絶好の滑り出しをきれる。つまり、この一戦の結果や展開から春シーズンの有力候補が見えてくるわけだ。
名馬が残した意外なドラマ
『あの名馬』が実は苦戦していた!?
過去の中山記念を振り返ると、数々の名馬が登場しているが、意外にも勝利を収められなかったビッグネームも少なくない。実はあの名馬、「ディープインパクト」「ジェンティルドンナ」といった日本競馬の歴史に残る偉大なGⅠ馬も、中山記念には出走していない。中山の独特のコース形状や坂のあるラスト200mの形状が、東京競馬場や京都競馬場を圧倒的なスピードで駆け抜けてきたトップホースたちにとって時にハードルになるという特徴もある。
さらに、注目度が高いからこそ春のGⅠレースを見据えた調整で、あえて休み明けで出走することも多い。そのため、競走馬本来の実力が発揮されず、人気馬のまさかの敗戦や意外な伏兵馬が台頭してくることも多く、人知れぬドラマが毎年生まれているのだ。
覚えてる?あの名馬の衝撃的勝利
中山記念を制した名馬には、『ダイワメジャー』(2006年・2007年連覇)、近年では『ドゥラメンテ』(2016年)がいる。なかでも、史上初の連覇を達成した『ダイワメジャー』はその後、安田記念や天皇賞(秋)などGⅠを制し、名実ともに名馬の道を歩んだ。多くの名馬、実績馬が集結し、毎年新たなスターが誕生する熱戦となっている。
中山コースのクセと狙い目
勝負を左右する中山特有の急坂!
実際の競馬場の特性で言えば、中山コース特有の急坂はかなり有名だ。最後の直線の途中にある「魔の坂」は、楽に先行していた馬ですら息切れし、勝敗が一瞬で入れ替わる場面を何度も演出している。そのため、パワーのある馬や、急坂に負けないタフな馬を狙うことが非常に重要で、中山巧者と呼ばれる馬が思わぬ馬券の妙味を生み出すことが多い。
脚質にも注意を!
中山記念は比較的先行馬に有利と言われるコースとはいえ、先行争いが激化すると後ろからの差し馬の台頭もよく見られる。馬券作戦としては、極端に前が激しく競り合いになりそうな年は差し馬を、ペースが落ち着き先行有利になりそうな年は前目につける馬を狙うのがオススメだ。過去のレース展開をよく分析することで、思わぬ好配当をGETできるかもしれない。
ちょっとここで小ネタ:意外なジンクスとは?
中山記念を勝った馬はその年の春のGIで大活躍するケースもあれば、意外にもそのあとのレースで苦戦するといったジンクスも存在する。「中山記念勝ち馬」がその後「大阪杯」などの春のGⅠを勝てないという不思議なパターンも一部で話題となっているのだ。ただし、競馬界では常にジンクスは破られるもの。信じるか信じないかはあなた次第!といったところだ。
まとめ
中山記念は春のビッグレースを占う上で、非常に意味のあるレースだということがお分かりいただけただろうか。名馬が勝つ場合もあれば伏兵馬が台頭し予想外の展開が生まれる、競馬ファンにとって1秒たりとも見逃せないドラマチックな舞台だ。レース展開や馬券のポイント、中山コースの特性をよく分析して、この春の競馬シーズンをより深く楽しんでみてはいかがだろう?春の競馬運命を占うレースから、新たなヒーローや意外な穴馬が誕生する瞬間を目撃しよう!
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